『箱 - Getting Out Of The Box』 をついに読む

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やっと図書館で借りることができた。

はやる気持ちをおさえて、パラパラっとめくってみる。

字は結構大きめ。しかも、やたらと「」と空白が多い。
会話形式で、比較的読みやすい本のようだ。
これがあの噂の本なのだろうか?

 

まあ、とにかく読みはじめる。

数行で、主人公がエリートビジネスマンだということがわかる。
入社から一ヶ月が経ち、今日は上級管理職のための研修だそうだ。
しかも専務副社長バドとの一対一のミーティング。

う、む、この流れは・・・エリートビジネスマンの輝かしい成功談なんかを読まされるのだろうか?所謂プロジェクトX? 少し不安になってきた。

期待に胸膨らませる主人公。
がんばれサラリーマン金太郎。
成功への階段を駆け上がれ!

しかし、その思いはあっさり裏切られる。

「君には問題がある」

ミーティング開始早々、五ページ目でいきなり宣告される主人公。
ちなみに申し遅れたが名前はトム・コーラム。以降トム。

へこむトム。果たしてトムに復活の道は残されているのか!?

自己欺瞞

・・・余興はここまでにしましょう。
トムが散々ヘコまされたあと、いよいよ自己欺瞞の話がスタートします。

自己欺瞞とは自分を欺くこと。自分の良心を裏切ること。
この状態を「箱に入っている」、としています。

なんだかよくわからないので具体的な話をしましょう。
みなさんはこんな経験がありませんか?

電車の中でお年寄りに席をゆずろうかどうしようか迷っています。しかし、こういったことは結構な勇気がいるもの。 結局ゆずるのをやめてしまいます。

するとあなたはこんな風に考え始めます。

  • よくみればまだ若いじゃないか。席を譲ったりしたら逆に失礼なのでは?
  • いや待て、自分だって疲れているんだ。年寄りだけが疲れていると思ったら大間違いだ。
  • なんで自分がこんなに迷わなくちゃいけないんだ?他のヤツらは見て見ぬフリじゃないか。
  • おい、そこのオッサン!寝たふりをするんじゃねぇ!
  • この電車の中にいるヤツらは全員敵だ!この席は誰にも渡さん!
  • クリリンのことかーーー!!

・・・どうでしょう?

席を譲ろうと思っていたとき、つまり自分の良心を裏切る前のあなたは、お年寄りに対して好意的な思いを持っていました。ところが、 その良心を裏切り、席を譲るのをやめてしまったとたん、自己を正当化しはじめ、あまつさえ周りの人を憎みはじめてしまいます。

自分を裏切ることで、自己正当化のために周りの人間を必要以上におとしめる必要がでてきてしまうのです。

こうして人は箱の中に入るそうです。

 

箱スパイラル

箱の中にいる人には、他の人をも箱の中に入れてしまう性質があります。

箱の中にいる妻、夫、上司、同僚、部下・・・が相互作用で箱スパイラルを引き起こし、互いに箱の中から相手を攻めあう状態になります。 憎しみが憎しみを呼ぶ呪いのビデオ。貞子メソッドです。

組織の中でこんなことがおきれば、どうなるかは明らかです。しかし、多くの組織がこの症状に侵されているといいます。 そうならないようにする。つまり箱の外にいるリーダーになる。これこそが、トムがこのミーティングを受けさせられた理由です。

どうやって箱から出るか?

箱の中から出る方法を語る前に、前提条件として、「箱の中にいるときにしても無駄なこと」が挙げられています。 そのまま引用しましょう。

  1. 相手を変えようとすること
  2. 相手と全力で張り合うこと
  3. その状況から離れること
  4. コミュニケーションを取ろうとすること
  5. 新しいテクニックを使おうとすること
  6. 自分の行動を変えようとすること

・・・私がやれそうなことは全滅な感じです。百歩譲って、自分だけが悪いとして、4 と 6 がムダならどうしろというのでしょう? 話は核心へと続いてゆきます。

きれいごと?

さあ、皆さんはそろそろ、こんな風にお考えではないでしょうか?

「このあと、いよいよ箱の中から出る方法をズバリ教えてくれるのだろう。」

でも、

  • 「他人に優しく」とか「努力する」とかそんな話を聞かされても困るなぁ・・・。
  • 箱の外に出るなんて、所詮きれいごとではないのか?
  • うちの会社じゃ箱の中に入ったもの勝ちなんだけど・・・。
  • 結局正直者がバカをみるんじゃね?

少なくとも私は、読み進めていく上で何度もそう思いました。そして、相手を変えるのも、自分を変えるのもダメなら、 結局精神論にいきつくのではないか?

この懸念はある意味正解であり、ある意味間違いであります。そのどちらをも、良い意味で裏切る答えが用意されています。

が、ここではポイントを紹介するにとどめます。

  • 相手を物としてではなく、一人の人間として認める。
  • 箱の外にいるからといって、「厳しい」行動ができないわけではない。
  • 逆に、「やさしい」行動をしながら、箱の中にいることもある。
  • そしてなにより、自分が箱の中にいることに気づく、箱から出たいと思うことが大切。

やっぱり精神論に聞こえてしまいますね。でもちょっと違うのです。なぜなら、 以上の内容は必ずしもその時系列順に本に登場するわけではありません。バドとトムのミーティングの中にちりばめられたヒントに触れるうち、 自然と読者が気づくようにできています。だから、あまり多くをここで書いてしまうのは野暮という気がするのです。

皆さんがどう感じるかは実際に本を手にとって確かめてみてください。

おわりに

一応ビジネスの本ということになっていますが、生活全般に活かせる内容だと思います。厳しくも優しい、そして、 どこか救いのある本でした。

*『自分の小さな「箱」から脱出する方法』は『箱』の復刊版です。

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このページは、towofuが2006年2月 8日 22:22に書いたブログ記事です。

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